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院長のご挨拶

 脳とそれにつながる神経と筋肉は、人にとって最も大切な臓器のひとつであります。国立精神・神経医療研究センター病院は、この脳および神経・筋肉の病気の原因を明らかにし、診断して治療する病院で、日本のそれらの研究と医療をリードしていくべきセンター的機能を果たすべき病院であります。これらの脳や神経・筋の疾患のなかには病気の原因が分からず治療法も乏しい、いわゆる難病も多く含まれています。私達は心や精神の病気、日常生活の行動や知能に関する神経の病気、それに運動がさまたげられる筋肉の病気、発達障害をもつ患者さんに対して、患者さんの人権を尊重しながら誠意をもって高い医療技術を提供したいと考えております。

 当センター病院には大きな特徴が幾つかあります。その一つは心や精神の病気や神経系の病気や発達障害、それに神経・筋肉の病気の原因研究と診療を一体となって行っている点が挙げられます。このような精神・神経センター的な組織は世界に類がなく、統合的に研究と治療ができる点で大変注目されております。もう一つは、精神・神経センターの同じ敷地内に世界をリードする精神・神経の研究部門があります。日進月歩の新たな研究成果を精神、神経、筋肉、発達障害の疾患の治療法や治療薬開発に応用する可能性を常に考えています。患者さんが最も求めている治療法の開発のために、様々な研究成果を実際の医療の現場に応用可能なものにするトランスレーショナルメディカルセンター(TMC)が現在立ち上がり、その活動が始まっております。このTMCの活動をより活発にし、日本のみならず世界の精神・神経疾患の治療をリードする精神・神経センター病院を目指していきたいと考えております。

 平成22年には待望のセンター新病院が武蔵野のすばらしい自然の中に完成しました。それと同時にナショナルセンターの独立行政法人化が始まり、より組織の独立性が求められるとともに有機的かつ合理的に活動出来ることが期待されています。これらの新たな変革を機に精神、神経、筋肉、発達障害で悩まれている患者さんに新たな治療や充実した療養の光が届くよう職員一同いっそうの努力をする所存です。皆様の更なるご協力とご支援をお願いします。

平成23年1月

院長 糸山 泰人

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